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毛球症ってなんだろう?【うさぎの健康と病気①】

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普段から愛らしい姿や振る舞いで私たちを癒してくれるうさぎさんですが、一緒に生活している中でほとんどの方が『カラダのトラブル』に悩まされると思います。

そこで今回はシリーズ『うさぎの健康と病気』と題しまして、うさぎが陥り易いカラダのトラブルを中心にご紹介していければと思います。第1回目となる今回は、消化器系の病気である『毛球症(もうきゅうしょう)』の治療や予防策についてまとめていきます。

うさぎの毛球症ってなに?

草食動物であるうさぎは常に食べ続け、その消化管はほとんど休むことなく働き続けています。アルファルファやチモシーなどに代表される高い繊維質の植物を効率よく消化するために様々な特徴を持っているのです。

働き続けるうさぎの消化管ですが、何らかの原因によってその働きが悪くなり消化管がうっ滞(消化管の蠕動運動が止まってしまうこと)し、様々な症状を引き起こします。ではどのような原因でこの病気にかかるのでしょうか?

見直されつつある病名

毛球症の名の通り、以前はうさぎさんがグルーミングをした際に『飲み込んだ毛が球のように絡まって』出来た毛の塊(毛球)が消化管のうっ滞を引き起こすと考えられてきました。しかし現在では毛球症という診断が見直されてきています。

お腹の中に毛球があることは原因ではなく結果であるということです。つまり何らかの原因によって胃の働きが低下することで消化管がうっ滞し、結果として胃の中に毛球が作られる事が分かってきました。

毛球症の原因

毛球の形成がこの病気の直接的な原因ではないと先述しましたが、では一体何が原因となりうるのでしょうか?

もちろん換毛期を迎えたうさぎさんが過剰に被毛を飲み込んでしまうことで、消化できずキャパオーバーとなりうっ滞につながる場合もあると思います。しかし、うっ滞を引き起こすのは消化管の問題だけではないのです。

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例えば怪我の痛み・居住環境の変化などのストレス因子、歯の噛み合わせが悪いなどの歯科疾患、泌尿器疾患による電解質バランスの崩れ。またペレットや牧草、飼育環境の不適切な管理状況

これらの要因が食欲低下を招き消化管のうっ滞につながると考えられています。正常な消化管の運動がなされないと腸内細菌のバランスが崩れ、お腹の中に病的なほどガス(おなら)が溜まってしまう鼓腸症にまで悪化する場合もあります。

では消化管がうっ滞すると、どのような症状が見られるのでしょうか?

毛球症の症状

何らかの因子によって消化管の運動機能が低下することで、様々な問題が症状として現れます。飼い主さんにとって分かりやすい症状と言えば、うさぎさんの食欲が低下したり、糞の大きさが極端に小さくなる等が挙げられます。

他にも好きな食べ物が変わったり(嗜好の変化)、糞自体の量が減ったり(排便量の減少)、便と便が毛で絡まり繋がるなどが見受けられます。

また消化管の働きが低下することで、うさぎさんのお腹の中にガスが溜まる事も少なくありません。活動性が低下し、その場でじっとして動かなくなったり、痛みに耐える為に歯ぎしりをする子もいます。

これらの症状を放置すると胃や腸が完全に詰まり機能不全を引き起こしたり(腸閉塞、イレウス)、異物が消化管を傷つけることによってショック状態に陥るなどの急変も考えられます。

うさぎは我慢強い?

一般にペットとして親しまれるようになってきたうさぎですが、自然界においては草食動物であり肉食動物には常に命を狙われる立場です。

仮にあなたが肉食動物だとしましょう。元気に逃げ回る方と、弱っているような仕草を見せている獲物の2体が目の前にいるとすると、どちらを狙う事になるでしょうか?倫理的な話ではなく、効率の問題です。当然、弱っている方が捕食できる可能性が増えると考えますよね?

つまり自然界における草食動物にとって『弱みを見せる』というのは死活問題な訳です。その本能的な習性からうさぎは怪我や病気であることを隠して生活する場合が多いのです。

決して我慢強い動物ではなく、飼い主さんは日々の健康チェックなどを通じてうさぎさんの微妙な変化やサインを見逃さないように努める必要があると考えます。

では飼い主さんが出来ることって一体何でしょうか?

予防策~飼い主さんが出来ること~

もちろん上記の様な症状が見られた場合は、出来る限り早く信頼できる動物病院を受診し適切な治療を受けることが必要ですが、私たち飼い主はうさぎさんと暮らす中でどのような事に気をつけて生活をしていく必要があるのでしょうか?

今からできる予防策を見てみましょう!

食事の場を整えよう!

毛球症の要因の一つとして『不適切な給餌環境』は挙げられると思います。先述したようにうさぎさんは消化管を絶えず動かし続ける必要がありますが、その為には常に何かを食べる事が出来る環境づくりが欠かせません。

低カロリー高繊維質なチモシーやアルファルファなどの牧草をいつでも食べられるような環境を整えてあげる必要があります。就寝前や出勤や登校前などうさぎさんのそばから離れる時には、「充分な量の牧草はあるか?」「新鮮な水はたっぷりと用意されているか?」などをチェックする事が大切です。

また旅行などで長期に離れる際は信頼できる方に飼育を依頼するか、ペットホテルを利用するなど給餌環境を調整するのも飼い主さんの役目の一つだと考えています。「1泊2日の旅行だから大丈夫かな?」という過信は禁物です。

便の性状を観察しよう!

消化管の働きが悪くなることで、便の性状にも変化が現れます。毎日の健康チェックやトイレ掃除の時間に便をよく観察する習慣をつけましょう!

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比較画像では変化が分かりやすいように、正常な便と毛が複雑に絡まり連なった便を例として挙げました。日頃から便の性状をよく観察することで「いつもより色が黒いかな?」「少し横長の楕円に変わった…?」といった便の微妙な変化に気づくことが出来るかもしれません。

うさぎにとって便の性状はカラダの変化を捉える1つのサインですので、毎日のケアの中でしっかりと観察していきましょう!

 

それではこの辺で、ぽぷらいふ!でしたノシ

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