うさぎの医療費ってどれくらい?~飼い主さんがするべき事~
ペットの医療費と聞くと『高額なのでは?』と思う方も少なくないと思います。
うさぎとて例外ではなく、場合によっては多額の医療費がかかるケースもあります。
ペットを飼っている方なら、一度は経験する『からだのトラブル』。
筆者もうさぎのぽぷらと過ごす中で何度も動物病院にお世話になりましたが、その中には迅速な対応や急な病院受診が必要な場合もあり、経済的な問題など考える暇すらありませんでした。
しかし、やはり突然の出費は痛いものです…。
そこで今回は『うさぎの医療費ってどれくらい?~飼い主さんがするべき事~』と題しまして、途中シミュレーションを交えながらうさぎの医療費について考えていきたいと思います。
万が一の場合に備えて…。
うさぎだけでなくペットさんと暮らしている方は少なからず『医療費』について考える場面が来ると思います。
犬や猫などのメジャーなペットと比較すると、うさぎの治療費用は少ないと言われています。
しかし『手術や入院』が必要になってくると、うさぎであっても10万円を超えるような費用もかかってくるのが現実です。
『助けたいという想い』と『経済的な問題』はいつも背中合わせである事と思います。
現代の日本では社会保険制度が確立しているおかげで、原則として医療費は3割負担となっています。
しかしペットの治療費になると話は別で、当然飼い主さんの全額自己負担となってしまいます。
そこでまずは『そもそもペット医療費ってどのくらいかかるの?』という点に焦点を当てて話を進めていくこととします。
自由診療という罠
実は動物病院は治療費用の基準が明確に定められてはいません。
つまり自由診療という訳ですが、簡単に説明すると『保険診療ではない診療形態』のことを指します。
更に言えば、それぞれの動物病院が『治療に関する費用を独自で自由に取り決めている』という事です。
それにより同じ検査や治療であっても、病院によって費用に差が生じるという訳です。
もちろん大事なペットさんのことなので、安ければ良いという事ではありませんが…。
お住まいの地域の中で質の高い医療を提供し、お財布に優しい病院を把握しておくことも大切だと思います。
緊急時にはこれらの事を考えている暇などないので、普段から意識しておくことですぐに対応する事が出来ます。
備えあれば憂いなしですね。
健康でも医療費はかかる?
草食動物であるうさぎは大変我慢強く、弱い部分を隠す動物と言われています。
素人には病気の初期症状に気付いてあげられない場合が多く、知らず知らずの内に病状が進行してから発覚するということも少なくありません。
これらの理由により、うさぎさんが健康であったとしても『健康診断は必要』だと考えています。
ではうさぎの健康診断ではどの程度の費用がかかるのでしょうか?
健康診断の費用って?
動物病院は自由診療である為、健康診断であっても費用に差が出てきます。
うさぎの健康診断の費用相場は1,000円から3,000円程度と言われています(初診料や再診料も含む)。
ですが、この『1,000円から3,000円程度』というのは基本検査のみ行った場合を指します。
触診や聴診などの基本的な検査を行った上で、獣医師が『採血検査』や『レントゲン検査』などが必要と判断し、検査を行うと更に費用はかかります。
次の見出しではより具体的な検査項目や治療を例に挙げて解説していきたいと思います。
うさぎの医療費の実際
動物病院の診療に関する料金はどこの探しても記載がないと思います。
これは自由診療の価格競争を防止するために独占禁止法で定められているからなのです。(大人の事情…。)
インターネット上の価格表示についてはグレーゾーンみたいですが…。
今回は検査や治療に関する一般的な相場について以下に記載します。
検査項目と費用について
今回は健康診断で実施されることの多い、メジャーな検査を4つ取り上げて解説していきます。
レントゲンやエコー検査は人間でも馴染みのある検査ですので、説明は省略します。
うさぎさんが健康診断などで行う血液検査は大きく分けると『血液生化学検査』と『生化学+CBC検査』の2種類に分けられます。
血液生化学検査とは『血液中の成分を分析したり、臓器や栄養の状態をチェック』する為に行われる場合が多いです。
人間の健康診断でも『中性脂肪(TG)が…。』や『コレステロール値(T-Cho)が…』などをチェックしますが、うさぎさんも同じ様に検査をします。
またCBC検査とは『血液中の赤血球や白血球、血小板などの状態をチェック』する為に行われ、血算とも呼ばれます。
ではそれぞれの相場ですが、まずは画像をご覧ください。
1つの検査単位で見ると驚きはしないでしょうが…。
これらの検査を複数行う事で、健診に係る費用も増えてきます。
1つ例を挙げると…
大体レントゲンの検査を要する場合は、生化学検査も合わせて行う場合が多いのですが、その場合は(基本健診費用)+(レントゲン検査)+(生化学検査)が費用としてかかり、約1万円の費用がかかってしまいます。
また検査結果によっては治療が必要な場合もあり、更に費用がかかる事もあります。
では次は治療費用について見ていきましょう!
治療内容と費用について
今回はうさぎさんのトラブルでよく耳にする6つの治療を例として挙げています。
歯の切断は、噛み合わせが悪いうさぎさん(不正咬合)の治療法として行う場合があります。
点滴は周手術期や低栄養状態、毛球症による消化管のうっ滞に関連した食欲不振時などに多く適応されます。
またトラブルではないのですが、去勢や避妊手術を選択される飼い主さんも多いので今回は例として取り上げています。
ではそれぞれの治療費用の目安を確認していきましょう!
これらの金額はあくまで目安となっていますが、先述した検査費用と比べても高額ですね…。
治療種別ごとの単価も高額ですが、実際は色々な検査や治療が必要になり費用も高額になります。
うさぎさんのトラブルとして多く聞かれる『毛球症』を例に医療費をシミュレートしてみましょう!
医療費シミュレーション~毛球症の場合~
毛球症の症状が『軽度の場合』と『重度の場合』の2つの場合を想定し、費用の目安をシミュレーションをします。(また初診料は1,000円と仮定します。)
今回は点滴治療のみで状態が改善する状態を『軽度』とし、それ以外の治療が必要な状態を『重度』として定義し解説していきます。
点滴治療のみで症状が改善し、状態が快方に向かいました。
そんな軽度の場合ですが初診料に加えて、レントゲン検査と血液生化学検査を実施し、点滴による治療を行ったのでかかる費用は『約13,000円』となります。(内訳は初診料1,000円+レントゲン4,000円+血液生化学検査5,000円+点滴治療3,000円)
では次に重度の場合を見てみましょう。
点滴による治療だけでは状態が改善せず、急きょ外科的な治療(開腹手術)が必要になりました。
当然日帰りではなく入院し治療を継続する必要がありますが、今回は3日間入院した場合を想定します。
今回は…
初診料に加えて、レントゲン検査までは軽度の場合と変わりません。
今回は手術を行うので生化学+CBC検査も実施し、開腹による手術の後、点滴治療(3日分)と入院治療(3日分)が行われました。
気になる費用ですが『約61,000円』となります。(内訳は初診料1,000円+レントゲン4,000円+生化学CBC検査8,000円+手術費用30,000円+入院費用(3日分)9,000円+点滴治療(3日分)9,000円)
シミュレーション結果
今回のシミュレーションでは毛球症を例に医療費を算出しましたが、疾患の重症度によっては『4.6倍の費用差』が生じることが分かりました。
入院期間は3日間と仮定して話を進めて来ましたが、入院期間が増えると当然費用も増えてしまうので、今回の結果よりも更に負担額が増えてしまう場合も考えられます。
愛するペットの緊急時には、コストについて考えている暇などは無いでしょう。
しかしうさぎさんが健康である内に、飼い主として事前に考えておくことはできると思います。
では私たち飼い主は緊急時に備えて、どのような対策が出来るのでしょうか?
次のパートで考えていきましょう。
飼い主がすべきこと。
シミュレーション結果・考察から、非常に高額な医療費がかかる場合があることはお分かり頂けたと思います。
では私たち飼い主が出来る対策するべき対策はどのようなものがあるでしょうか?
ペット保険への加入【推奨】
水面下で進行していた病気が発覚するのは、突然の出来事かと思います。
そんな高額かつ急な出費への対策として考えられるのが『ペット保険への加入』です。
人間の医療保険制度とほぼ同じような仕組みですので、改めて説明は不要だと思いますが…。
うさぎやフクロモモンガなどのエキゾチックアニマルを飼育する方の増加に伴って、それらを対象にした保険商品を設定する会社もいくつか存在します。
各会社によって様々な特徴があり、払戻金の有無や医療費の支払い割合、月々の保険料、保険金の限度額など商品によって違いがあります。
突然の出費に備えて、飼い主様の経済事情や飼育されているうさぎさんの健康状態に見合った最適なプランに加入することをお勧めします。
ペット貯金【提案】
筆者は毎月3,000円をペットの為に貯金しています。別に預金口座を用意している訳ではありませんが…笑
こうすることで年間36,000円をうさぎの為に貯めることが出来ます。
3,000円/月の理由ですが…
1,000円はハーネスやおもちゃに代表される『ぜいたく品』を購入する為の貯金し、残りの2,000円は『医療費』として貯金をしています。
先述しましたが、健康診断だけでも年間10,000円前後のコストがかかるので、それらをこの貯金から捻出している訳です。
無論、病気や怪我などの緊急時にはペット保険の保障内容の方が充実しており、対策としては弱いかもしれませんが、何もしないよりは良いと考えています。
まとめ。
今回は『うさぎの医療費ってどれくらい?~飼い主さんがするべき事~』と題しまして、うさぎの医療費について簡単に説明させていただきました。
高額な医療費で驚いた方もいらっしゃると思います。
しかしこれはうさぎに限った話ではなく、犬や猫を飼育されている方にも同じことが言えます。
いま一度愛するペットさんの為に、医療費対策を見直してみてはいかがでしょうか?
それではこの辺で、ぽぷらいふ!でしたノシ